この記事の監修者

土地家屋調査士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:土地家屋調査士(とちかおくちょうさし)、行政書士。
取扱い分野:土地の境界確定や不動産の表示登記全般。

経歴:開業以来23年間、土地の境界確定など登記関係業務を行っています。
土地家屋調査士のプロフィールはこちら

「現況測量図と確定測量図の違いは何?」
「現況測量図や確定測量図で、何がわかる?」
「現況測量図と確定測量図は、どんな場合に必要?」
「現況測量図と確定測量図では、測量費用はどれ位違う?」

現況測量図と確定測量図について、
この様な疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

そこでこの記事では、現況測量図と確定測量図にテーマを絞り、
現況測量図と確定測量図の違いについて、
土地の境界確定業務を行っている土地家屋調査士が解説致します。

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この記事を全て閲覧することで、初めて測量図を見る方でも、
現況測量図と確定測量図の違いがすべてわかります。

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記事を読みたい方は、このまま下に読み進めて下さい。

現況測量図と確定測量図の根本的な違いとは?

現況測量図と確定測量図の根本的な違いは、
土地の境界の確定が目的かどうかです。

まず、下図1のような現況測量図は、
現地の状況を知るための測量図であり、
境界を確認した上で作成された図面ではありません。

現況測量図の例
(図1:現況測量図の例)

たとえば、建物を建築する際には、建築確認申請を行うため、
現地の土地の面積や、区画の形状、接する道路の幅員、
ブロック塀や擁壁などの構造物の状態や高低差を知る必要があり、
上図1のような現況測量図が作成されます。

建築確認申請以外でも、相続税の申告をする際には、
現況測量を行い、土地の面積を出して、
相続税の計算に使うために、現況測量図が作成されることもあるのです。

また、擁壁を設置するために、土地の高低差を測量したり、
太陽光パネルを設置するために、現況測量図を作成する場合もあります。

ただ、現況測量図は、現地の状況を図面に示すことが目的であり、
土地の境界の確認を行うことを目的としていません。

そのため、現況測量図を作成する際には、
隣地所有者との境界確認は行われず、
隣接する土地との境界線は、確定されていないことが多いのです。

逆に、下図2のような確定測量図は、
土地の境界線を明確にするための測量図であり、
境界を確認した上で作成された図面になります。

確定測量図の例
(図2:確定測量図の例)

具体的には、隣接する全ての土地との境界について、
法務局に備え付けの公図や地積測量図を基に、
全ての隣地所有者と境界の確認を行い、
合意した境界点を測量して、その結果をまとめた図面となります。

土地の売却や、相続・境界トラブルの解決などの際、
土地の境界を明確にする必要がある場合に、
確定測量図が作成されるのです。

つまり、現況測量図と確定測量図の最大の違いは、
土地の境界の確定を目的とするかどうか、
隣地所有者との境界確認を行うかどうかという点にあるのです。

それぞれの測量図でわかること・わからないこと

まず、下図3のような現況測量図では、
現地にあるブロック塀や側溝などの構造物の状態、
接している道路の幅員や状態、下水などのマンホールの位置、
土地の概算面積と区画の大体の形状がわかります。

現況測量図でわかる内容
(図3:現況測量図でわかる内容)

また、レベルとも言われる高低差も測量して、
現況測量図に載せた場合には、現地の各地点の高低差もわかります。

しかし、現況測量図では、事前に境界確定がされていない限り、
土地の境界線の位置や、境界標の有無はわかりませんし、
隣地所有者との境界確認情報もありません。

そのため、隣接地との境界が確定していないので、
不動産売買や相続の際に境界トラブルが起こる可能性があります。

次に、下図4のような確定測量図では、土地の面積と区画形状、
土地の境界線、境界標の有無と種類、
各境界点の座標値と点間距離が、それぞれ明確にわかります。

確定測量図でわかる内容
(図4:確定測量図でわかる内容)

なぜなら、確定測量図は、公図や地積測量図などの資料を基に、
全ての隣地所有者と境界の確認を行い、各境界点について、
土地所有者及び隣地所有者との合意を得た上で作成された図面だからです。

しかし、確定測量図では、現地の構造物の状態や、
高低差などは記載されていないので、わからないことが、
現況測量図との違いになります。

土地の売買・相続・建築で使い分けるポイント

まず、現況測量図は、建物を建てる時や、
土地の概算を知りたい時に活用する図面です。

「建物を建てたいので、敷地の広さや建物の配置を検討したい」
「相続税の計算をするため、土地の概算面積を知っておきたい」
といった場合に、現況測量図が役立ちます。

現況測量図は、建物建築の際に、敷地の広さや建物の配置を検討するのに役立つ
(現況測量図は、建物建築の際に、敷地の広さや建物の配置を検討するのに役立つ)
現況測量図は、相続税の計算の際に、土地の概算面積を知るのに役立つ
(現況測量図は、相続税の計算の際に、土地の概算面積を知るのに役立つ)

現況測量図は、敷地の現状をおおまかに把握するための図面で、
土地の広さや、おおよその形状、
現況の道路幅などを知ることができるからです。

次に、確定測量図は、土地の売買や、相続などで、
トラブルを防ぐための図面になります。

「隣の土地との境界が、曖昧で不安」
「土地を売却する際に、面積のトラブルを避けたい」
といった場合に、確定測量図が必要です。

土地の境界を明確にし、面積を正確に確定させるための測量で、
隣地所有者と境界の確認をした上で行われます。

不動産取引では、売主が境界を明確にすることで、
後々のトラブルを防ぎ、安心して取引を行うことができるのです。

また、土地の相続の際に、複数に分けたい(分筆)場合など、
土地の利用目的を明確にする際にも、確定測量図が作成されます。

測量費用は、どれくらい違う?

確定測量の方が、隣地所有者との境界確認が必要なため、
一般的に、現況測量よりも費用が高くなる傾向にあります。

まず、現況測量及び現況測量図の作成の費用としては、
一般的な戸建て程度の広さの土地の場合、
約10万円~20万円程度が目安です。

ただし、土地の広さが広ければ広い程、通常、
費用は高くなるため、一般的な戸建ての土地よりも広い場合や、
高低差の測量も必要な場合は、20万円を超えることもあります。

なお、現況測量図の作成などの費用は、
現況測量図の作成などを依頼した方が、負担するのが一般的です。

次に、確定測量及び確定測量図の作成の費用は、
一般的な戸建て程度の広さの土地の場合、
約35万円~80万円程度が目安です。

費用に値幅がある理由は、土地の面積や形状、
官民境界の有無、隣地所有者の数、
土地の地域、依頼する土地家屋調査士などによって、
費用が変動するからです。

なお、費用の変動要因の中でも、土地の面積と、
官民境界の有無が、比較的大きな影響を及ぼします。

たとえば、土地の面積が100坪(330㎡)程度と広く、
官民境界の確定も必要な場合、
約50万円~80万円程度が、費用の目安になります。

そして、土地の面積が200坪(661㎡)、300坪(991㎡)と、
広くなるにつれて、確定測量と確定測量図の作成費用は、
約80万円以上になる可能性が高くなり、
100万円を超えることもあるのです。

なお、確定測量及び確定測量図の作成費用は、
境界確定測量を必要とする人が負担するのが一般的です。

境界確定測量の費用については、
境界確定測量の費用はいくら?約35万円~80万円!?
【土地の売却・境界問題・相続】」で、
くわしく解説しています。

最適な測量を選ぶためのポイント

土地の測量には、測量専門の測量士と、
登記業務を行う土地家屋調査士がいます。

土地の現況を把握するための現況測量は、
どちらの専門家に依頼しても可能です。

しかし、隣接地との境界線を法的に確定させる確定測量は、
境界確認などの専門知識を伴うため、
特に登記を伴う場合には、 土地家屋調査士に依頼するのが最も適切です。

以上、現況測量図と確定測量図の違いを解説致しました。

なお、確定測量図とは何か、
地積測量図や境界確定図との違いについては、
確定測量図とは?地積測量図や境界確定図との違い」で、
くわしく解説しています。

土地の売却に、境界確定測量は必要なのかについては、
土地の売却に境界確定測量は必要?」をご参照下さい。

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