
国家資格:土地家屋調査士・行政書士。
専門分野:土地の境界確定や不動産の表示登記全般。
職務経歴:開業以来24年間、土地の境界確定など現場の実務に基づき、数多くの問題を解決しています。
[土地家屋調査士 寺岡孝幸のプロフィールはこちら]

国家資格:土地家屋調査士・行政書士。
専門分野:土地の境界確定や不動産の表示登記全般。
職務経歴:開業以来24年間、土地の境界確定など現場の実務に基づき、数多くの問題を解決しています。
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「土地の売却で確定測量が必要と言われた。」
「将来、確定測量が必要かもしれない。」
「確定測量はどの様な流れで進み、何をする事なのかよくわからない。」
「確定測量で注意すべきことは?」
このような理由で、確定測量の具体的な流れを知りたいし、
確定測量で注意すべきことも知っておきたい、
という人も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、確定測量の流れと注意点について、
土地の境界確定業務を行っている土地家屋調査士が、
具体的にわかりやすく解説致します。
この記事をすべて閲覧することで、
確定測量はどのような流れで進み、注意点は何かもわかります。
なお、この記事の内容は、下記の動画でも無料で何度でもご視聴いただけます。
まず、確定測量は、通常、次の1~10の流れで進みます。
それでは、具体的にどういった作業なのかを、
順番に見ていきましょう。
確定測量を進める場合、まず最初に行うべきことが、
確定測量をしたい土地および隣接する全ての土地の登記情報と、
公図、地積測量図を法務局で取得して、内容を調査することです。
土地の登記情報というのは、下図1のような情報のことで、
土地の登記上の所有者などを調べることが、
主な目的となります。
次に、公図というのは、
法務局に備え付けられている下図2のような地図のことです。
確定測量をしたい土地の形状と、公図上、
隣接する土地の地番と形状などを調べるのが、
主な目的となります。
次に、地積測量図というのは、
法務局に提出されている下図3のような測量図面のことです。
確定測量をしたい土地の過去の地積測量図と、
隣接する全ての土地の地積測量図を調べることで、
各境界点の位置や、境界標の種類、
境界点間の辺長などを調べるのが、主な目的です。
ただ、ここで注意すべきことは、
地積測量図は、法務局に備わっている土地と、
もともと備わっていない土地があることです。
そのため、もともと地積測量図が備わっていない土地の場合、
地積測量図以外の境界に関する資料や現況などを参考にしたり、
もしあれば隣接地の地積測量図などを参考にすることになります。
また、確定測量をしたい土地が、
過去に地籍調査事業などが行われた土地の場合、
基本的に、法務局に地積測量図はありません。
そのため、過去に地籍調査事業などが行われた土地の場合は、
市区町村の役所で、地籍調査事業などを担当している係りを調べ、
地籍調査の測量図などを取得して、各境界点の座標値や、
境界標の種類、境界点間の辺長などを調査することになります。
なお、地積測量図とは何かや、その見方と取得方法については、
「地積測量図とは?地積測量図の見方と取得」で、
くわしく解説しています。
XY座標による地積測量図の見方と注意点については、
「地積測量図の見方と注意点:XY座標の測量図編」を参照下さい。
三斜法による古い地積測量図の見方と注意点については、
「土地境界線の立会や確認時に古い地積測量図を見る際の注意点」
をご確認ください。
確定測量では、境界確定をしたい土地の隣地所有者と、
基本的に現地で立会い、境界の確認をします。
そのため、法務局で取得した登記情報や公図、
地積測量図など、調査した資料の内容をすべて把握して、
できるだけ、土地の境界の根拠になりうる資料を作成するのです。
また、確定測量したい土地の隣地所有者が多い場合や、
隣接する里道、又は水路の対面地の所有者が多い場合には、
各土地所有者の住所や氏名などが一目で分かる、
所有者一覧表なども作成しておくと便利です。
境界立会いのための資料ができましたら、
下図4のような境界立会いのお願いの文書を付けて、
隣地所有者の住所地にお伺いして、
境界立会いのお願いをします。
具体的には、上図4のような境界立会いのお願い文書に、
公図のコピー、現地が分かる住宅地図などのコピー、
もしあれば、地積測量図のコピーなどを付けて、
隣地所有者に渡して、境界立会いのお願いをするのです。
もし、隣地所有者が亡くなっている場合には、
その相続人の住所や氏名を調べて、
相続人に境界立会いのお願いをすることになります。
また、隣地所有者が県外など遠方に住んでいる場合には、
電話又は郵送のやり取りなどで、境界立会いのお願いや、
現地の写真などで境界の確認をすることもあります。
なお、土地の所有者の調べ方については、
「土地の所有者を調べる3つの方法」を参照下さい。
隣地など土地の地番の調べ方については、
「地番の調べ方:土地の地番を調べる5つの方法」で、
くわしく解説しています。
下図5のような座標法による地積測量図があり、
基準点や境界標が、現地に2点以上残っていれば、
基本的に、境界標が無い他の境界点、または、
境界標が無くなった他の境界点の復元が可能です。
その場合、境界立会い前に、現地で残っている基準点や、
境界点の事前測量を行います。
そして、境界点の復元測量を行い、下図6のような感じで、
復元ポイントに、マーキングなどで印を付けておきます。
その後、隣地所有者との境界立会いの時に、
その復元ポイントが境界点になることを、
隣地所有者に現地で確認してもらうのです。
ここで注意が必要なのは、復元ポイントには、
いきなり境界標を設置しないで、あくまで、
マーキングなどの印をしておくことです。
なぜなら、隣地所有者と復元ポイントを確認してから、
お互いに境界点に合意した上で、
境界標を設置する方が良いからです。
なお、境界標や境界杭の復元方法や費用については、
「境界標や境界杭の復元方法と復元費用」で、
くわしく解説しています。
隣地所有者が個人や法人の場合、
境界立会いの日時については、
相手の都合に合わせるのが基本です。
しかし、できるだけ、隣地所有者全員に、
同じ日時に、境界立会いに来ていただく方が良いと言えます。
なぜなら、隣地所有者それぞれの立会い日時が異なる場合、
境界点について異論が出てしまうと、
再立会が必要になってしまうこともあるからです。
なお、隣地所有者の人数が多い場合には、
長時間、隣地所有者を待たせないように、
境界の立会い時間に、ある程度の間隔を空けるなど、
立会い時間を工夫することも必要になります。
また、現地で各境界点を確認する際には、
主に座標による地積測量図などを参考にしますが、
ブロック塀や擁壁などの構造物の占有状況や、
隣地所有者の証言なども考慮し、 合理的な各境界点を判断して、
合意に導く知識と技術も必要になります。
そのため、確定測量をする際は、土地家屋調査士に依頼して、
隣地への挨拶や境界立会いなどを含めて、
すべてやってもらうのが一般的です。
なお、境界の立会いの手順と注意点については、
「土地境界線の立会いの手順と注意点」で、
くわしく解説しています。
境界立会い時の注意点については、
「土地境界線の立会い時の7つの注意点」を参照下さい。
境界に関するあらゆる資料や、現地の状況などを参考にして、
隣地所有者に境界点を確認していただき、
お互いその境界点で合意した場合、
その各境界点に、下図7のような境界標を設置します。
もし、土地所有者や、隣地所有者から、
境界標の種類の指定があれば、
通常、その指示に従うことになります。
特に境界標の種類の指定がなければ、
現地の状態を見て、適切な境界標を設置します。
隣地所有者と合意した各境界点の測量をするため、
下図8のような光波と呼ばれる光波測距儀や、
下図9のターゲットなどを使用して、先に基準点測量をします。
この時に注意が必要なのは、
測量機械から、各境界点が見えるように、
各基準点を設置することです。
また、基準点は、工事などですぐに飛ばされることのないよう、
アスファルト舗装面ではなく、道路側溝など、
下図10のようなコンクリート構造物に設置します。
ただし、地面が土や砂利の場合には、
プラスチック杭などを打ち込んで、
基準点とする場合もあります。
なお、確定測量後に、登記面積を現地と合せる地積更正登記や、
土地を数筆に分ける分筆登記を予定していれば、
基本的に、世界測地系の座標を使用する必要があるため、
下図11のような国家基準点又は公共基準点の測量も行う場合があります。
そして、基準点測量を行いつつ、
その基準点から見える各境界点についても、
同時に測量すると効率的です。
基準点や各境界点の測量を行った後、
隣地所有者と合意した各境界点が、書面や図面でわかるように、
境界確認書、又は隣接境界線証明書などを作成します。


ただし、隣接地が、里道(農道)や水路、道路の場合には、
役所ごとに、境界に関する確定書類の様式が異なるため、
その様式を確認した上で作成することに、注意が必要です。
なお、境界確認書については、
「境界確認書とは?土地境界確認書に署名すべき?」で、
くわしく解説しています。
境界確認書の場合は、下図12のような図面付きで、
土地所有者と隣地所有者の双方が、署名・押印を行い、
原本を各自1通ずつ保管するのが一般的です。
逆に、隣接境界線証明書の場合は、
測量図面付きは同じですが、原本1通を作成して、
隣地所有者に署名・押印をいただくのみとなります。
なお、隣地所有者の署名・押印で注意が必要なのは、
下図13のような境界確認書の表書きへの署名・押印だけでなく、
添付する測量図面にも、割り印が必要なことです。
また、隣接地が里道(農道)または水路、道路の場合、
境界確定に関する書類の様式が、役所毎に定められており、
関係土地所有者の署名・押印・割印が必要な箇所も、
役所側で決められていることに、注意が必要です。
境界確認書、又は隣接境界線証明書などに、
隣地所有者全員の署名・押印をいただくことができれば、
その時に、書類上でも、土地周囲の境界が確定したことになります。
そして、確定した各境界点や基準点、
土地の面積などが、1枚の図面でわかるように、
下図14のような確定測量図を作成します。
なお、確定測量図は、境界確定図とも呼びますが、
境界が確定した後の測量図面という意味では同じです。
以上が、確定測量の流れと注意点になります。
なお、確定測量については、
「確定測量とは?境界確定測量は必要?」で、
くわしく解説しています。
確定測量図とは何かや、地積測量図などとの違いについては、
「確定測量図とは?地積測量図や境界確定図との違い」で、
わかりやすく解説しています。
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土地家屋調査士寺岡孝幸事務所の寺岡孝幸(てらおかたかゆき)です。主な取扱い業務は、「土地の境界確定、不動産の表示登記全般」です。高知県土地家屋調査士会及び公益社団法人高知県公共嘱託登記土地家屋調査士協会に所属。(代表者寺岡孝幸のプロフィール紹介はこちら、著者の詳細情報はこちら)