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土地境界線の調べ方から境界標・境界立会・境界確定・確定測量・分筆登記まで土地家屋調査士が徹底解説
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土地境界線の立会や確認時に古い地積測量図を見る際の注意点

2026 8/24
地積測量図
2024年1月31日2026年8月24日
この記事を監修した専門家
土地家屋調査士寺岡孝幸の顔写真
土地家屋調査士 寺岡孝幸

国家資格:土地家屋調査士・行政書士。
専門分野:土地の境界確定や不動産の表示登記全般。
職務経歴:開業以来24年間、土地の境界確定など現場の実務に基づき、数多くの問題を解決しています。
[土地家屋調査士 寺岡孝幸のプロフィールはこちら]

土地境界線の立会いや確認のため、
地積測量図を入手したけど、土地が三角形に区切られていたり、
古くてあまり見慣れない図面のため、見方がよく分からない、
という人も多いのではないでしょうか?

そこで、この記事では、
古い三斜法の地積測量図の注意点と見方について、
土地の境界確定業務を行っている土地家屋調査士が、
わかりやすく解説致します。

この記事をすべて閲覧することで、
古い三斜法による地積測量図の注意点と見方が分かります。

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目次

なお、この記事の内容は、下記の動画でも無料で何度でもご視聴いただけます。

土地境界線の立会や確認時に古い地積測量図を見る際の注意点

まず、古い地積測量図というのは、
次のような三斜法による地積測量図のことです。

三斜法による地積測量図の例
(三斜法による地積測量図の例)

土地を三角形に区切り、各三角形の面積を計算して、
面積を合計することで、土地の面積を求積しているのが特徴です。

このような三斜法による地積測量図は、
昭和35年から平成17年3月の法改正まで、
法務局へ提出されていた図面となります。

ただ、三斜法で作成された地積測量図は、
作製年月日が次の2つの時期によって、
それぞれ注意すべきことが違ってきます。

  1. 昭和35年~昭和52年9月に作製された地積測量図
  2. 昭和52年10月~平成17年3月に作製された地積測量図

それでは、作製された時期ごとの注意点について、
順番に解説いたします。

1.昭和35年~昭和52年9月に作製された三斜法の地積測量図

昭和35年~昭和52年に作製された地積測量図の内、
まず、昭和35年~昭和41年3月までの地積測量図は、
メートル単位で作製された測量図だけでなく、
尺貫法で作成された測量図もあることに注意が必要です。

昭和35年から昭和41年3月まで作製された地積測量図の例
(図1:昭和35年から昭和41年3月まで作製された地積測量図の例)

尺貫法の場合、面積については坪単位で表し、
長さについては1間単位で表わします。

1坪のイメージとしては、下図2のように、
畳2枚分の広さが1坪で、
メートルに換算すると約3.31㎡のことです。

尺貫法の1坪と1間のイメージ
(図2:尺貫法の1坪と1間のイメージ)

1間のイメージとしては、畳の長い方の1辺の長さが1間で、
メートルに換算すると約1.818mになります。

昭和35年~昭和41年3月に作製された地積測量図では、
1間単位(いっけん)を略してKという文字で記載して、
尺貫法による地積測量図とわかるようにしている図面もあります。

しかし、単位について何も記載してない地積測量図もあるため、
尺貫法の1間単位なのに、メートル単位で読んでしまうと、
長さや面積を読み間違えてしまうこともあるのです。

そのため、地積測量図の作製年月日が、
昭和35年~昭和41年3月の間の場合、
メートル単位で書かれた図面なのか、
尺貫法の1間単位で書かれた図面なのかに注意が必要なのです。

ちなみに、昭和41年4月以降は、
尺貫法を用いることを計量法という法律で禁止して、
違反者には罰金とし、メートル法に移行したという経緯があります。

次に、昭和35年~昭和52年9月に作製された地積測量図は、
境界点間の距離や、境界標の記載は義務ではなかったため、
境界点間の辺長も、境界標の記載も無いのが普通です。

昭和35年~昭和52年9月まで作製された地積測量図の例
(図3:昭和35年~昭和52年9月まで作製された地積測量図の例)

ただ、地積測量図の作製者によっては、
境界点間の辺長を記載している場合もあります。

また、隣接地との境界立会を求められていなかった時期のため、
境界立会いをしないで、作成されている地積測量図もあります。

中には、境界立会いどころか、現地の測量を行わないで、
公図を写して、分筆線を引き、
図上で読み取って求積した地積測量図もあるくらいです。

三斜法で求積する底辺と高さについても、
実測した距離ではなく、図面上、
三角スケールで読み取った長さの場合もあります。

三角スケール
(三角スケール)

そういった時代背景を考慮した場合、
昭和35年~昭和52年9月に作製された地積測量図は、
あまり参考にならないと考えるのが適切で、
各境界点の正確な復元能力も無いと言えるのです。

2.昭和52年10月~平成17年3月に作製された三斜法の地積測量図

昭和52年10月以降に作製された三斜法の地積測量図は、
通常、現地で境界立会いや、境界測量が行われた上で、
作製された地積測量図になります。

昭和52年10月以降に作製された地積測量図の例
(図4:昭和52年10月以降に作製された地積測量図の例)

もし、現地に境界標がある場合には、
地積測量図にも、その境界標の種類などが記載されています。

つまり、当時の地積測量図に境界標の記載があれば、
少なくとも、地積測量図が作成された時には、
現地に境界標があったということです。

ただ、各境界点間の辺長などは、
巻き尺で測量をしていた時期もあるため、
測量の精度的には、高いとは言えません。

巻き尺で測量
(巻き尺で測量)

そういった背景を考慮した場合、
昭和52年10月以降に作製された三斜法の地積測量図は、
境界標や辺長など、ある程度は参考になると考えるのが適切で、
昭和52年9月以前の地積測量図とは、区別することが必要です。

なお、平成17年3月以降に作成された地積測量図では、
各境界点の座標値の記載が義務化されましたので、
三斜法から座標法の地積測量図へと変わっています。

座標法の地積測量図の見方と注意点については、
「地積測量図の見方と注意点:XY座標の測量図編」で、
くわしく解説しています。

三斜法による地積測量図の見方

それでは、三斜法による地積測量図について、
どこに何が記載されているのかを、
1つ1つ見ていきましょう。

① 土地の所在と地番の見方(隣接地番を含む)

まず、下図5のように、地積測量図の左上には、
土地の所在欄と地番欄があり、
どこの土地の地積測量図なのかがわかるようになっています。

土地の所在と地番
(図5:土地の所在と地番)

上図5の地積測量図で言えば、
〇市〇町23番2と、23番5と、
23番6の各土地の地積測量図ということになります。

地積測量図の地番欄には、上図5のように、
23-2、-5、ー6といった一部省略した書き方や、
23-2、23-5、23-6といった書き方もありますが、
どちらも23番2,23番5、23番6の土地という意味です。

なお、昭和35年頃から昭和50年代中頃までは、
上図5のような地積測量図の様式でしたが、
昭和50年代の中頃からは、下図6のように、
土地の所在と地番欄が、右上にある現在と同じ様式になっています。

昭和50年代中頃からの地積測量図の様式
(図6:昭和50年代中頃からの地積測量図の様式)

また、下図7のように、三斜法の地積測量図には、
土地の形状と、各土地の地番などが記載されており、
隣接地の地番や、土地の位置関係もわかるようになっています。

土地の形状と隣接地を含む土地の地番
(図7:土地の形状と隣接地を含む土地の地番)

ただ、分筆登記でできた地積測量図の場合には、
下図8ように、土地の地番にABCや、①②③、
イロハなどの符号も付けられています。

分筆登記でできた地積測量図の例
(図8:分筆登記でできた地積測量図の例)

逆に、分筆登記以外でできた地積測量図の場合、
地番にABCや、①②③、
イロハなどの符号は付けられていません。

また、下図9のように、土地の地番以外に、
「農道」または「水路」、「道路」、
「道」と記載されている場合もあります。

農道や水路、道路などの記載
(図9:農道や水路、道路などの記載)

まず、「農道」または「道」、「水路」といった記載があれば、
通常、地番の無い里道や水路のことで、
市町村などが管理している法定外公共物があるということです。

もし、「道路」といった記載がある場合には、
通常、市道または町道、県道または国道など、
市や県、国が管理している道路があるということです。

ただ、「道路」の場合は、土地に地番があるので、
地積測量図の作成者によっては、「道路」という記載ではなく、
道路の土地の地番を記載することもあります。

② 方位の見方

三斜法による地積測量図には、下図10のように、
図面上、どの方向が北なのかがわかるように、
方位記号が記載されています。

方位
(図10:方位)

方位記号については、数字の4のような先端が北方向で、
もし、方位記号の先端にNという記号があれば、
Nの記載のある方向が北方向という意味です。

方位記号については、次のような感じで、
地積測量図の作成者によってデザインが異なりますが、
数字の4の形の先端や、Nが、北を意味しています。

方位の例
(方位の例)
(方位の例)
方位の例
(方位の例)

③ 縮尺の見方

三斜法による地積測量図には、下図11のように、
図面の縮尺が何分の何かがわかるように、
縮尺が記載されています。

縮尺
(図11:縮尺)

土地が市街地か、農耕や山林地域なのかで違いはありますが、
大体200分の1~500分の1の縮尺で作成されています。

④ 土地の各境界線や辺長(距離)の見方

まず、土地の各境界線については、下図12のように、
土地の形状の所に実線で記載されています。

土地の境界線は実線
(図12:土地の境界線は実線)

ただ、三斜法による地積測量図の場合、
土地を三角形に区切っているので、
どの線が境界線なのかが、わかりにくいこともあります。

そこで、土地の境界線の見方としては、
実線で書かれているのが境界線で、
一点鎖線又は点線で書かれているのは、
三斜による区切り線となります。

ちなみに、土地の境界線がわかるように、
赤色で囲んでみたのが、下図13です。

赤の実線が土地の境界線
(図13:赤の実線が土地の境界線)

次に、境界線の辺長(距離)については、
上図13のように、辺長の記載がある地積測量図と、
辺長の記載が無い地積測量図があります。

境界線の辺長の記載が無い地積測量図では、
下図14のように、土地を三角形に区切り、
三角形の底辺と垂線の距離のみ記載された図面になります。

境界点間の辺長の記載が無い地積測量図の例
(図14:境界線の辺長の記載が無い地積測量図の例)

このような地積測量図の場合、
縮尺スケールで各辺長を読み取るなどして、
土地の境界線の辺長を調べることになるのです。

しかし、辺長の記載がない地積測量図については、
現地で境界立会や、境界測量すらしていない可能性があるため、
参考になる図面とは言えません。

なお、境界立会いについては、
「境界立会とは?土地の境界立会には行くべき?」や、
「土地境界線の立会い時の7つの注意点」を参照下さい。

⑤ 土地の求積表(面積計算)の見方

土地の面積の求積表については、下図15のように、
土地を三角形で区切った各面積を、合計した計算式になります。

求積表
(図15:求積表)

この例では、23番2の土地から、
Bの23番5と、Cの23番6を分筆した地積測量図で、
BとCの各土地は、各三角形の面積を合計する方法で、
各土地の面積を出しているのです。

しかし、Aの23番2の土地については、
分筆前の登記面積310.100㎡から、
分筆したBとCの土地の面積を差し引く計算になっています。

このような求積方法を残地求積というのですが、
残地求積で計算された土地Aについては、
土地の形状や面積が、現地と一致してない場合があるので、
注意が必要になるのです。

⑥ 地積測量図の作製者と作製年月日の見方

地積測量図の作製者と作製年月日は、
下図16のように、地積測量図の右上端に記載されています。

地積測量図の作製者と作成年月日
(図16:地積測量図の作製者と作成年月日)

地積測量図の作製者については、通常、
土地家屋調査士の住所、氏名、職印が記載されていますので、
もし、地積測量図の内容でわからないことがあれば、
地積測量図に記載されている作製者に聞く方法もあります。

ただし、三斜法の地積測量図は、かなり古い測量図になるため、
作製者がすでに亡くなっていたり、
土地家屋調査士をやめていることもよくあることです。

なお、昭和50年代中頃からは、
下図17のように、現在と同じ様式となっているため、
地積測量図の作成者と作成年月日欄は、用紙の左下にあります。

現在の様式の地積測量図の作製者と作成年月日
(図17:現在の様式の地積測量図の作製者と作成年月日)

⑦ 地積測量図に記載された申請人とは?

地積測量図の右下には、下図18のように、
申請人欄があり、ここに記載されている人が、
当時の土地の登記名義人ということになります。

地積測量図の申請人
(図18:地積測量図の申請人)

なぜなら、地積測量図は、分筆登記申請や、
地積更正登記申請で、法務局に提出する図面となり、
登記申請をする際の土地の登記名義人が、申請人になるからです。

ここまで、古い三斜法による地積測量図を見る際の注意点と、
見方について解説してきましたが、
三斜法による地積測量図以外にも、作られた時期によっては、
XYの座標法による地積測量図があります。

座標法による地積測量図の見方と注意点については、
「地積測量図の見方と注意点:XY座標の測量図編」で、
くわしく解説しています。

なお、地積測量図を見る事になるのは、
土地を売却したり、土地を貸したり、
敷地の周囲に構造物を設置する場合に、
境界の立会いや、境界の確認をする時が多いです。

そのため、境界の立会いについては、
「境界立会とは?土地の境界立会には行くべき?」や、
「土地境界線の立会いの手順と注意点」、
「土地境界線の立会い時の7つの注意点」を参照下さい。

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なお、地積測量図については、実務書も出版されていますので、
合わせてご確認いただければと思います。

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この記事を書いた人

寺岡孝幸のアバター 寺岡孝幸 土地家屋調査士・行政書士

土地家屋調査士寺岡孝幸事務所の寺岡孝幸(てらおかたかゆき)です。主な取扱い業務は、「土地の境界確定、不動産の表示登記全般」です。高知県土地家屋調査士会及び公益社団法人高知県公共嘱託登記土地家屋調査士協会に所属。(代表者寺岡孝幸のプロフィール紹介はこちら、著者の詳細情報はこちら)

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